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日本ミツバチのお話bee

日本ミツバチの復活(西洋ミツバチに追いやられた日本ミツバチ)

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 日本では、明治時代に輸入されたイタリアン種のミツバチが、蜜集めの能
力に優れ、合理的な養蜂技術が確立していたことから急激に普及しました。
そして現在でもその西洋ミツバチが養蜂の主流となっています。
 実は、それまで日本では在来種である日本ミツバチだけが唯一のミツバチでした。文献でもこのハチから採れたハチミツが朝廷への献上品だったという記録も残っています。春に野生の日本ミツバチを捕え軒先で飼育しながら自家消費用の蜜を採るというレベルの養蜂が一般的でした。西洋ミツバチの普及により、そうした日本ミツバチの養蜂さえ一時消滅の危機に瀕していました。しかし、近年外国からの安価な輸入蜜の増加により西洋ミツバチの養蜂家が急速に減少してきました。それに代わって日本ミツバチの素晴らしさが再認識されるようになり、注目を集めるようになってきています。

日本ミツバチはどんな蜂?

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 ミツバチは大きく分けるとオオミツバチとコミツバチに分けることができ
ます。コミツバチの中には主に中国や朝鮮半島に生息する東洋ミツバチとい
う種類が存在します。その中でも日本にだけ生息するミツバチを日本ミツバ
チと呼ぶのです。日本が氷河期に大陸と陸続きだったころ朝鮮半島から渡っ
てきたと考えられています。西洋ミツバチに比べると体は黒っぽく、一回り
小型で性格が温和なハチです。主に山間部の大木の洞や岩の割れ目、神社の
灯篭、墓石、民家の屋根裏等に巣を作って生活していましたが、現在は里山
だけでなく都市部にまで生活範囲を広げ、たくましく生きる日本ミツバチが増えてきています。


日本ミツバチの魅力

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 日本ミツバチの魅力は西洋ミツバチとの比較によってより鮮明にすることができます。西洋ミツバチの優位性も数多くありますが、西洋ミツバチには見られない日本ミツバチの魅力の代表的なものを列記します。
@幻の和蜜と呼ばれ、蜜の味が奥深く一匹の働き蜂が一生の間に集める量は小さいスプーン一杯ほどで希少価値がある
A蜂が温和でおとなしくめったなことでは刺さない(冬季は別)
B冬季の加温や砂糖の給餌等が基本的に不要である
C天敵のオオスズメバチに対して防衛能力を持っている
Dダニ類や、各種の病気に比較的強いため、抗生物質などの投薬が不要
E養蜂のための大がかりな準備品が不要で、誰にでも手軽に養蜂が楽しめる


日本ミツバチの家族

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 日本ミツバチの家族(群れ)は一般的に1万匹〜1万5千匹で編成されて
います。内訳は1匹の女王蜂と春の時期に生産される千匹程度の雄蜂と残り
は全て働き蜂で構成されています。女王蜂と働き蜂は同じ卵から生まれる雌
蜂です。女王蜂は、王台という特別な巣でロイヤルゼリーを食べて成長しま
す。羽化した後も若年の働き蜂から生産されるロイヤルゼリーを主食として
生きます。女王蜂は、処女飛行で複数の雄蜂と交尾が成功すると、その後約
3年間、精子を小出しにしながら卵を生み続けます。それに対して同じ卵か
ら生まれた働き蜂は、最初こそロイヤルゼリーを与えられますが、途中から
は蜜と花粉を混ぜ合わせた食事によって大きくなります。働き蜂たちは、羽
化後成長段階に応じて内勤、外勤に役割を変化させながら懸命に働きます。
働き蜂はわずか1ヶ月の寿命です。雄蜂は春に生殖のためだけに生産される蜂です。働き蜂が特別に少し大きめな巣を作ると、そこに女王蜂が無精卵を産みつけます。そうして誕生するのが雄蜂です。雄蜂は誕生してくる新女王を大木等 の上空で待ちます。運よく交尾に成功した雄蜂はそこで役割を終え死んでいきます。雄蜂は他の仕事は全くしません。
生殖だけが仕事のプータロー的存在なのです。分封は主に4月から5月に行われ新女王の誕生の3日前ぐらいに、母親
女王が巣から出て行き巣別れが完了します。それは全て働き蜂たちがコントロールして行われます。群れにとっての中
心は1匹の女王ですが、巣内の活動を常にマネージメントしているのは働き蜂なのです。


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